2022年のキーワード
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で4475人で、東京641人、神奈川152人、埼玉150人、千葉111人、愛知159人、大阪505人、兵庫106人、京都121人、広島273人、山靴181人、沖縄981人などとなっています。まさに倍々ゲームのように感染者が急増し、政府は今日にも沖縄・広島・山口にまん延防止等重点措置の適用を決定します。第5波の時の状況を考えると、まん延防止等重点措置の適用にどれだけ意味があるか疑問ですが、少なくとも気が緩んだ人たちへの警鐘の意味はあるように思います。しかし、これによって漸く動き出した経済が停滞してしまうのは残念です。オミクロン株の感染力にはものすごいものがありますが、重症化リスクは低いようなので、うまく折り合いをつけながら経済を回していくことが重要です。
さて、今日は、ZDNet japanの「2022年、DXで『規制改革』『中小企業の体質強化』『生活者視点』『つながる社会』を推進せよ」という記事を取り上げます。
この記事は、2022年の年頭に当たり、経済団体や企業の年頭所感から印象的な発言を取り上げ、「規制改革」「中小企業の体質強化」「生活者視点」「つながる社会」という4つのキーワードをピックアップしています。
1.経済同友会会長幹事櫻田健吾氏の発言
櫻田氏は「私たち企業経営者は強い覚悟を持って、イノベーションと社会変革に取り組んでいく」と述べた上で、「イノベーションに満ちた日本を目指すために、まず、規制の刷新に取り組まなくてはならない。コロナ禍を奇貨として、オンライン診療や服薬指導、オンライン授業、テレワークなど、従来できないと思い込んできたことが実現した。これを更に前進させ、ニューノーマルとして定着・拡大させる必要がある」「規制体系の設計思想そのものを根本的に見直す必要がある。前例のないアイデアを、試行錯誤を通じてビジネスモデル化し、社会実装につなげることから成長が生まれ、生産性が向上し、機会が広がる。この前提に立って、規制体系を『事前規制型から事後のチェック・検証型』へと転換すべきである」「同時に、既存の組織や権限の枠を超えた最適化が可能となるデータ・デジタル時代にふさわしい形へ、競争法制や個人情報保護法制、各種業法規制や働き方に関するルールを抜本的に再構築することが不可欠である」と力説しています。
ここで取り上げられているのは「規制改革」です。日本の社会では、DXによって高い効果が得られるかどうかにおいて最大のネックになるのは、旧態依然とした規制にあると言っても過言ではありません。DXの限らず日本の成長・発展を阻んでいるのが規制です。規制改革なくして日本の発展・成長は期待できません。これは一企業や経済界だけでできることではありません。政府がしっかりとした目的を持ち規制改革に率先的に取り組んでいくべきです。
しかし、小泉政権下の規制改革、それを引き継いだ安倍政権を見れば、実現がいかに困難かが分かります。利権に群がる者が生まれ、格差が拡大し、結局は今なお中途半端のままです。政府が確固たる覚悟を持って行わない限り実現困難ですし、逆にマイナス面だけがクローズアップされてしまいます。
2.日本商工会議所会頭三村明夫氏の発言
三村氏は、2022年の重点的な取組みの1つとして、「デジタル活用による中小企業の体質強化」を掲げ、「これまでも幾多の困難を乗り越えてきた日本の中小企業は、さまざまな変化に柔軟かつ迅速に対応できる潜在的な変革力を有している。中小企業経営へのデジタル活用は生き残りをかけた自己変革の有力な手段であり、コロナ禍で加速したデジタル化の流れを、業務効率化にとどまらず、越境EC(電子商取引)等を通じた販路拡大、さらには業態転換などのビジネス変革にまで広げる経営力向上の柱として強力に支援していきたい」と述べました。
ここでのキーワードは「中小企業の体質強化」です。そのためにデジタル化の推進を謳っていますが、これまで何度も述べていますように、デジタル化・DXは手段であって目的ではありません。横並び的に同業他社がデジタル化を行ったからとか最近の流行であるからという理由だけで飛びつくのは間違っています。重要なのは、自社のどのような課題や問題の解決にデジタル化・DXが役立つのかを考えることです。これなくして、中小企業のデジタル化・DXはあり得ません。横並び的にデジタル化・DXを導入しても体質強化に繋がることはなく、むしろ弱体化してしまいます。
「中小企業の体質強化」に必要なのは、先日来書いています「選択と集中」です。自社の「強み」を把握してそれにフォーカスして「選択と集中」を行うこと、その過程で目的達成に必要ならばデジタル化・DXを行えばいいだけです。この順番を間違えてはいけないと思います。
3.NTTデータ代表取締役社長本間洋氏の発言
本間氏は、「現在加速している社会全体のデジタル化に当たっては、『常に生活者の視点に立つ』という点を重視して取り組んでいる。社会課題の解決嫌、その茶目の新たな価値創造は、一企業の取組みでは実現できない場合が多い。NTTデータは、デジタル化に伴い多様なステークホルダーが『つながる社会』を実現していく中で、広く課題解決することを目指したい」と述べています。
ここで挙げられているキーワードが「生活者の視点」と「つながる社会」です。この記事では、この2つがDXに取組み企業に求められる基本姿勢であると言っています。しかし、NTTデータ社長がかかる発言を行ったのはNTTデータが情報サービス業界にいるからです。情報サービス業としては「生活者の視点」や「つながる社会」を目指すことが目的として存在します。しかし、一般の企業においての目的は自社が抱える課題や問題を解決することです。それは、必ずしも「生活者の視点」や「つながる社会」とは直接関係していません。
中小企業にとって重要なことは、自社が抱える課題や問題を明確にあぶり出し、その解決方法としてどのような手段が有用であるかを真剣に考えることです。その解決方法としてDXがあるかも知れませんが、あくまでも解決方法の1つにしか過ぎません。こうした課題や問題を解決した先に「生活者の視点」や「つながる社会」があるのかも知れませんが、最初からそれを目的としていたのでは、本来の課題や問題を解決することも難しくなるように思います。
売れないものは諦める!
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で2638人で、東京390人、神奈川93人、埼玉82人、愛知73人、大阪244人、兵庫59人、京都92人、広島138人、山口104人、沖縄623人などとなっています。まるで倍々ゲームのように感染者が急増しており、感染拡大のスピードが半端ありません。ところがオミクロン株はそのうちの1割にも満たず、ほとんどがデルタ株の感染です。オミクロン株は重症化リスクが低いと高をくくっている場合ではありません。沖縄では重症病床の使用率が急激に上がり重症病床の確保が追いつかなくなりつつあります。政府や一部自治体(大阪など)では全員入院の方針を見直し軽症者は自宅療養させるようですが、第5波の時のように急激に容態が悪化して亡くなるという事態は避けるべきです。まずはしっかりと病床を確保し、医療体制が逼迫しないよう万全の対策を今から準備しておくことです。
さて、今日は、ダイヤモンドオンラインの「『売れないものは諦める』で過去最高益、キングジム社長が語るコロナ禍の闘い方」という記事を取り上げます。
先日、「選択と集中」が2022年のキーワードになるということを書きました。
コロナ禍で今ある事業が行き詰まりを見せているということは多いですし、混迷するビジネス環境の中で、新たなことにチャレンジしなければ、生き残ることはできません。そのためには、自社の「強み」を見つけ、そこにフォーカスする「選択を集中」が必要不可欠なのです。
この記事に出てくるキングジムはオフィス文具を扱う会社で、どこのオフィスでも使われているブルーの開きと正方形のマークがついたファイル「キングファイル」が看板商品で、他にもラベルタイターの「テプラ」、デジタルメモ「ポメラ」などを世に送り出してきました。キングジムは、「皆が欲しがるものよりも、熱烈に欲しがる誰かがいる商品こそヒットに繋がる」との考えの基で、どちらかと言えばニッチな商品の開発を行ってきました。ところが、キングジムの看板商品である「キングファイル」はペーパーレス化の影響でここ20年売上が徐々に減少、コロナ禍で更に加速しました。また、「テプラ」もコロナ禍で半導体不足の影響を受け東南アジアにある自社工場の生産が止まったりとコロナ禍のさまざまな影響を受けました。
ところが、このキングジムは、コロナ禍で過去最高益を記録しています。
1.鳴かず飛ばずの商品などがヒット
キングファイルやテプラなどに変わり、コロナ禍の経営を支えたものは、家具やキッチン家電、衛生用品でした。
キングジムの強さは、何屋さんか分からないほど幅広い商品展開にあります。巣ごもりで家の中を整理したくなった人が増えたのか収納用品、テレワークの増加によりデスク・チェア用品の売れ行きが好調、家で料理をする人が増えたのか低価格のトースターやコーヒーメーカー、ホットサンドメーカーなどのキッチン家電が売上の伸ばしました。キングジムは、コロナ前に、インフルエンザ予防の関連製品として、自動手指消毒器「テッテ」を販売していましたが、鳴かず飛ばずで生産を中止して撤退を考えていたところ、コロナ禍で怒濤の発注が舞い込み大躍進を遂げます。
陰る商品があれば光が当たる商品があるのは当然ですが、キングジムはキングファイルで使用していた素材を活用し、「クリアーパーテーション」「フェイスシールド」「マスクケース」など、感染症対策に活用できる新たな商品を立て続けに販売しました。こうして、ピンチをチャンスに変えたキングジムは過去最高益を記録したのです。
まさに「自社の強み」を活かし、「選択と集中」を行った結果です。
2.自社開発で重視する2つのこと
キングジムの宮本社長は「コロナ禍で『売れないものをどう売ろう』と考えず、売れるものを売った方がいい」「世の中が急変しているわけですから、売れないものに固執すると苦労するのは当たり前です。我々も主力商品だったキングファイルが以前のように売れるとは考えていません。ダメそうなら諦める、売れそうなら売ってみる。キングジムはそのハードルが非常に低いのです。思いついたらすぐに出すことが一番大事です。問題が生じたら改善すればいい。ダメなら何らかの反応が返ってくるわけですから」と言います。
キングジムには失敗を責めない企業文化が根付いており、10個の新商品のうち1個でもヒットすればいいという考え方です。失敗しても軌道修正し改善すればいいのです。必要なのは、思いついたらすぐに行動を起こすことなのです。
キングジムの宮本社長は「キングジムの商品は、ほとんどが枯れた技術の組み合わせです(笑)。でも、さまざまな商品が作れます。それがおもしろい。新しい技術に挑戦しようと思ったら、大型投資をしないといけないでしょ?設備やらなんやらお金が必要ですから、売れないと大変です。でも、既にある技術の組み合わせなら、ダメならやめればいい。失敗を恐れなくていいから簡単なんです」と言います。
先日「両利きの経営」で書きましたが。イノベーションというのは「既存の知」と「既存の知」の組み合わせで生まれます。これが「知の探索」ですが、これだけではビジネスにならず、何度も深掘りして磨き込み(軌道修正と改善)収益化を図る「知の深化」も必要なのです。キングジムは、この両方をうまく行っています。
3.急激な変化にたじろがない変わり身の早さが武器
宮本社長は「変化は今後も起こる。そのときにいかに素早く商品を出すか、それだけを考えています」「変化はチャンスだと思います。逆に言えば、変化がないと我々のような中小企業にチャンスは巡ってきません」と言います。
宮本社長が言うように、変化が激しい時代は、中小企業にとってはピンチではなくチャンスなのです。大企業は組織の大きさからすぐに変わることはできません。中小企業は変わり身の早さが取り柄です。世の中の変化にうまく対応することができれば、ピンチは必ずチャンスになります。この柔軟さがあれば、新たなアイデアも生まれます。自社の強みを活かし、「既存の知」と「既存の知」を組み合わせることでイノベーションを起こせるかも知れません。
質問が怖い人の解決法
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で1268人で、3ヶ月ぶりに1000人を超えました。東京151人、大阪124人、広島109人、沖縄225人と、オミクロン株の影響か急増し第6波の懸念が強まってきています。ただ、WHOは「オミクロン株は他の変異株よりも重症化しにくいことを示す多くの証拠が出てきた」と発表し、これが真実ならば悦ばしいことです。一方で、感染力が強いため医療体制が逼迫する恐れや、ワクチン接種を終えていない者にとっては脅威となる可能性もあります。更にフランスでオミクロン株とは異なる新たな変異株が見つかっています。今年もコロナウイルスとの戦いは続きます。
さて、今日はCHANTO WEBの「『質問が怖い』会話を楽しめない人の解決策」という記事を取り上げます。
以前、ビジネスに必要なスキルは「質問力」であると言ったことがあります。ビジネスは人と人との関係で成り立っています。よりよい人間関係・信頼関係の構築が必要不可欠で、そのためには相手を知ることが大切です。質問することで共感力が高まり、更に良い質問をすることができるといったより良いサイクルが生まれます。
質問 ⇒ 聞く ⇒ 質問 ⇒ 聞く ⇒ 時々自分の話をする
このサイクルを回していけばいいのです。
ところが、質問されると詰問されたと勘違いする人がいます。こうした人とは、まだ良い関係が生まれていないのですが、質問するということは案外難しいものです。会話において重要なのは5W1Hですが、「Why?」の使い方が間違っているからです。
いきなり「なぜミスが起きたのか?」と問いかけられれば、誰でも詰問・尋問されているように感じます。「Why?」の前に「何処でミスが起きたのか?」「いつ起きたのか?」「どのようにして起きたのか?」といった状況認識から入るべきなのです。原因探求の前に場所探し・状況把握です。
1.質問というのは相手の持っている情報を引き出すこと
以前にも書きましたが、コロナ禍でテレワークや在宅勤務がニューノーマルとなると、これまでの対面では意味を持っていた「空気を読む」「阿吽の呼吸」といったものが難しくなります。そうなると、適切な言葉に落とし込む力(言語化力)とパワフルな言葉で問いかける力(質問力)がますます重要になってきます。
部下の育成においても、上司が正解を教えるのではなく、考える道筋を与えるということが重要になります。そのためには部下の話を聞き、適切な質問を繰り出してその回答を考える中で部下自身が成長できる環境を作ることが大切です。
質問というのは、単に自分が知らないことを尋ねることではないのです。相手が持っている情報を引き出し、相手のことをより知ることなのです。相手のことを知らずしてより良い人間関係や信頼関係を築くことはできませんし、相手に適切なアドバイスを与えることも、相手の成長を促すこともできません。
顧客との会話の中で、自分が8割話し顧客が2割しか話さないようでは、相手から重要な情報を引き出せず、本当に顧客が求めているニーズをつかむことはできません。
創造力、発想力、判断力、問題発見力、問題解決力といったスキルについても、重要なのはそれ以前の情報収集力、情報編集力です。これらの力の下地となるのは、情報を引き出す力、つまり質問力なのです。質問力はあらゆるスキルの前提なのです。
2.質問する前に意図を伝える
ところが「質問されるのは嫌」という人がいるのと同じく「質問するのは嫌」という人も多いのです。質問することで相手に聞かれたくないプライベートに踏み込んでしまっうのではないかと、質問することで相手との関係が却ってギクシャクするようになるのではないかと感じるからです。
先ほども書きましたが、質問するということは、相手の持っている情報を得て、相手をもっと知るということです。相手のことをもっと知り、相手と共感したいという思いがなければなりません。この思いをしっかりと相手に伝えることで、相手も緊張することなく質問に答えてくれるはずですし、相手もあなたのことをもっと知りたいと質問してくるはずです。そうなれば会話は弾みより良い人間関係・信頼関係が構築できるようになります。
この記事では、プライベートの領域に入っていると思ったら、「こんなことが浮かんだけど、気に障ったら答えなくてもいいから」とか「こんなことを聞いたら失礼かも知れませんが」と前置きしたり、以前聞いたかもしれないことを質問をする場合には「以前教えていただいたかも知れませんが、もう一度教えてください」と前置きすることが大切だ書かれています。
また、質問する際に、自分の考えを先に言うということで相手が答えやすくなるということもあります。
要するに、質問するというのは、相手との距離を縮めるためのものですから、相手を思いやる心が大切で、相手を思いやる言葉を使うということです。
3.質問されたら短く答え、相手に質問を返す
質問されたときにどこまで答えたらいいのか迷うこともあります。
ちょっと質問してみたが、相手が長々としゃべってうんざりしたという経験がある人もいると思います。これは質問の意図を明らかにしていないから起きるのです。質問の意図が明確なら、相手はその意図をつかんで適切な回答をするはずです。意図が明確でないから、何をどう答えていいのか分からず、話があっちに行ったりこっちに来たりと長くなるのです。
質問の意図が明確でなければ質問の意図を聞いてみるということも必要になってきますし、相手を観察するということも大切になってきます。相手を観察すれば、自分の答えに相手が満足しているのか、更に話を聞きたいと思っているかうんざりしているかも分かるはずです。うんざりしているようなら、早めに話を打ち切って相手に質問を返せばいいのです。
以前から何度も言っていますが、コミュニケーションは「言葉と思いのキャッチボール」です。片方がボールを長々と持ち続けていてはいけません。ポンポンとスムーズにボールが相手に渡るように、短く答えて相手に質問を返すことです。
部下の成長と学び
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で782人で、東京103人、神奈川34人、千葉24人、埼玉21人、大阪79人、京都22人、広島40人、山口56人、沖縄130人などとなっています。東京、沖縄が100人超えでじわじわと第6波が近づいてきています。今から第6波に向け備えをすることですが、第5波のように医療体制が逼迫し入院できずに自宅で亡くなる人が出ないように病床を確保すること、3回目のワクチン接種を前倒しにすること、国内にオミクロン株がこれ以上流入しないように水際対策を徹底すること等やるべきことはまだまだあります。われわれも正月気分に浮かれることなく、節度を持って行動しこれまで通りの感染防止策を徹底することです。
さて、今日は、Forbes JAPANの「キャリアアップのために、上司と月1回話すべき2つのこと」という記事を取り上げます。
多くの上司は、部下が積極的に学びキャリアアップをしてくれることを望んでいます。しかし、ほとんどの上司は、部下の成長を促すのが得意ではありません。上司が部下の成長と潜在能力を引き出すために常に積極的な役割を担ってくれているとは言えないのが現実です。
この記事では、「この問題に対処するためには月1回のペースで上司と2つのシンプルな目的を持った話し合いの場を持つことが重要である」と言っています。これまでも何度も言っていますが、上司と部下とがよりよい人間関係・信頼関係を構築するためにコミュニケーションが極めて重要です。上司は、部下に対して仕事のやり方などの話をすることはできても、部下の成長を促すような話は不得手でどう話していいのか分からないという人が多いのです。場合によっては、部下の方からさりげなく、話を持ちかけることが必要かもしれません。
この記事では「2つの目的を持った話し合い」と言っていますが、その2つとは、①今後1ヶ月で自分が伸ばしたい分野を見つけることと②過去1ヶ月で自分が成長できた内容を共有することです。つまり、自分がどのように成長し学びたいかを上司に示すことと、自分が学習したことを評価して次のプランを立てるということです。
これは上司の問題というよりは部下自身の問題です。従って、部下の側から、上司に話し合いの場を持ってくれるように促すのがいいのです。
「私は成長し学び続けたいと思っています。そのために月1回、短時間でもいいので、話し合いの機会をつくっていただけませんか?」
「自分が身につけるべきスキルについてアドバイスいただけませんか?」
「私が毎月学んだことについて報告しますので、聞いていただけませんか?」
こうした内容で上司にお願いすればいいのです。これで「嫌だ」という上司はいないはずです。むしろ、部下の成長に期待を寄せて、積極的に話し合いの機会を持ってくれるはずです。
ここで重要なことは、次の3つです。
1.対話の目的は自分の成長と学びであることをはっきりと知らせること
部下からの申し入れがあった場合、上司は苦情の申し入れ、退職願いなどと考えて身構えてしまうものです。はっきりと話し合いの目的が自分の成長や学びであることを知らせることで、前向きな話し合いができます。
2.指導を受けつつも相手の負担を軽減すること
部下自身の成長や学びの話し合いであって、主体はあくまでも部下です。部下自身が自分の成長や学びについて真剣に考えなければなりません。上司は部下へのアド売僧を行うことで、上司が部下の成長や学びのスケジュールやプランを考えるのではありません。それらは部下が自ら行わねばならないことです。
3.努力するのは自分であり、単にアドバイスを求めたいことを強調すること
2とも関係しますが、あくまでも主体は部下自身で、アドバイスを求めるだけであることを強調して、上司の肉体的・精神的な負担を軽減することです。敢えて堅苦しい話し合いの場を作る必要もありません。敢えて上司に時間を割いてもらう必要もなく、立ち話でもいいのではないかと思います。
上司というかリーダーは、自分から率先して何事にも真摯に取り組む者を好みます。こうした上司との対話は、自分の成長を促すだけでなく、上司にポジティブな印象を残せます。それは上司と部下とのより良い人間関係・信頼関係の構築に繋がることは言うまでもありません。
休日の本棚 史上最強の人生戦略マニュアル
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で554人、東京84人、神奈川21人、愛知22人、大阪57人、広島58人、山口20人、沖縄51人等となっています。明らかに首都圏や関西圏だけでなく地方で感染者が急増し、感染者ゼロは12県だけになっています。年末年始の人出を見ると、更に増えていくように思います。気を緩めることなく、これまで通りの感染防止策を徹底していきましょう。
さて、今日は本の紹介です。フィリップ・マグロー著「史上最強の人生戦略マニュアル」(きこ書房)という本を紹介します。著者のマグローは、戦略的な人生設計を研究してきたアメリカのコンサルタントです。
自分の弱さを知り、その弱さを克服することで、人生を主体的に生きる具体的な考え方や人生を好転させるための方法を湿してくれている自己啓発本です。しかし、ここで語られていることは人生だけでなく、ビジネスにもそのまま当てはまります。
第1章.問題がひとりでに解決することはない。
「あなたにとって問題があるなら、もちろんその問題を気にかけるべきだ。それだけでなく、自分の身に降りかかったことが正当か不当か、くよくよ考えるような状態に、はまり込まないように気をつけないといけない。不当なことで、それはそれとして、対処しなければいけないことに変わりはない」
マグローが言うとおり、物事がひとりでに解決するということはありません。それは人生においてもビジネスにおいても然りです。自分でもんだいの本質を把握し、自ら解決策を考えない限り、絶対に解決することはありません。その問題がいかに理不尽なモノであっても、すべてw自分がフ引き受け、自分の責任で解決するしかないのです。
だからといって悩む必要はありません。この本が、あらゆる問題に取り組むに当たって必要となる戦略の立て方を教えてくれています。
第2章 本当に生きるということ
何かが上手くいっていないということは、そのやり方が間違っているということです。今までこういう風にやってきたからという先入観を捨てて、真摯に自分と向き合うことです。
この章では、人の行動特性について、次の10が挙げられています。
- すべての人が一番恐れるのは「拒絶される」ことである
- すべての人が一番必要としているのは「受け入れられる」ことである
- 人を動かすには、相手の自尊心を傷つけない、若しくは、くすぐるようなやり方をとらなければならない
- 人は皆例外なしに、どんな状況にさしかかっても、「自分はどうなるのだろう?」という不安を、少なくともある程度抱く
- 人は皆例外なしに、自分にとって個人的に大事なことを話したがる
- 人は、自分が理解できることだけに耳を傾け、自分の中に取り入れる
- 人は、自分に好意を持っている人を好み、信じて頼る
- 人はしばしば、はっきりとした理由もなく行動する
- 上流階級の人の中にも、料簡の狭いつまらない人間がいる
- すべての人には例外なく、「外面」がある。あなたは、その化面の向こうにあるものを見なくてはならない
他人だけでなく、自分にもこうした特性があることを知り、これらの特性を浅江ながら、人生を切り開いていかないといけないということです。
第3章 自分の選択と態度に焦点を当てる
「仕事が気に入らないなら、それはあなたの責任だ。関係が行く詰まったら、それもあなたの責任だ。太りすぎているのも、威勢を信じられないのも、幸せ出ないのも、すべてあなたの責任だ・・・もし責任を認めなければ、自分が抱えている、それこそあらゆる問題に対して間違った診断を下してしまうだろう。間違った診断を下せば、処置を誤る。処置を誤れば状況は改善しない」
「責任があるということは、良い面と悪い面があると思う。悪い面は、あなたの重荷になることだ。良い面は、あなたは選ぶことができるということだ」
「あなたは、過去の誤った洗濯を振り返り、自分が妥協してよどんだ生活を送っていることを認識し、夢がむしばまれ、腐っていくのをじっと見つめている。数週間。数ヶ月、数年が過ぎ、こう問いかける声に悩まされる」
自分の行動や過去の選択が現在の状況を作っていることを認め、何処が間違っていたのか、どうすべきだったのかを振り返り考える、そして、新たに選択して行動を起こすことが重要だということです。自らの責任を認め間違ったことは自らの意思で軌道修正して変えていくということです。これはビジネスにおいてもその通りです。
第4章 「見返り」が行動を支配している
「本当はしたくないことに膨大な時間を費やす。毎晩「ゴロゴロ」して、テレビを見たりせず、運動や読書をしたり、妻や子供と一緒に過ごしたりしたい。でも、テレビに張り付いている。そのうえ、こうしたことを何度も繰り返す」
「あるレベルではそれでうまくいっていると感じているからだ。『うまくいっている』というのは、望ましくない行為に見えても、その行為から何らかの見返りを得ているということだ」
見返りというのは、今まで通りの安心感であることもあります。変化というのは不安にさせるのです。だからちょっとした安心感を得たいがために行動を変えることができないのです。この見返りが何なのかを特定して、それを断ち切らない限り、行動を変えることはできません。いかに自分自身が不合理だと感じていても、見返りを得ている限り変化を起こすことはできないのです。
第5章 問題は、あなたが認めるまで悪化していく
「時が経つにつれて良い方向に向かう、ということはない。自分が認めていないことは変えられない。そして、あなたが認めていないことは、あなたがそれを認めるまで悪化していくだろう」
どんな問題を抱えていても、自分でその問題を否認している内は対処のしようがありません。対処せずに放置している限り、事態は好転することなく悪化します。時間が経てば経つほど、解決困難になるのです。
まずは、自分で「問題を抱えている」と認識することです。勇気を持って章m、円から問題を認識したときだけ、問題は解決に進むのです。
第6章 違うことを「する」
「違うことを『する』要になるまで、人生は何も変わらないだろう。あなたが、多分、自分に問いかけなければならない質問は、『今しないなら、いつするのか?』という質問だろう・・・引き金を引け。知識を得るだけで終わらず、これまでと違う何かをするのだ」
本を読んだだけでは何の役にも立ちません。単に知識を詰め込んでも変わることはできないのです。変わるためには行動あるのみです。どれだけ知識があっても、どれだけ判断力があっても、どれだけ理解していても、行動しないのなら何の価値もありません。「今しないのなら、いつやるのか」と問いかけて、今行動を起こすべきなのです。
第7章 過去の出来事を言い訳にしない
「人生に何が起きようと、その出来事をどう解釈するかは自分自身である、という現実を受け入れることに他ならない。状況が持つ意味や価値は、実際には、あなたがその状況に持たせた意味や価値でしかないのだ」
人生に何が起きようとも、自分の過去の出来事について意味づけしているのは自分自身でしかないのです。ネガティブな評価を与えているのも自分自身です。
ということは、自分自身の意味づけや価値によって人生の意味づけも変えることができるということです。
第8章 今すぐ人生計画を立てる
「人生を変えるには、自分を変える必要がある。人生を本当に管理すると言うことは、流れに身を任せて生きるのを辞め、計画的に生きることだ・・・あなたが管理している人生は、あなた自身のものだ。あなたが管理している人生の感情面、社会面、精神面、身体面、これらはすべてあなた自身のものだ。目的を持って管理しよう。知識を持って管理しよう。どんな選択をするかで、あなたの心の状態が決まる。目的と知識をもって選択すれば、あなたは望むものを手に入れられるだろう」
自分自身を管理者として扱い、主体的に、自分を律してよりよい方向へを変えていかなければならないのです。自らが責任を負い、自ら認識して変えていかなければならない以上、自分自身が管理オ社とならなければならないのは当然です。時分の人生は誰のものでもありません。自分自身のものなのです。
第9章 見返りを断つ
「あなたにできる最悪のことは、変化を起こすと息巻いたあげく、結局元の慣れ親しんだ破滅的なパターンに戻ることだ」
ここで言っている見返りを断つというのは、自分に対してではなく相手に対してです。あなたが不当な扱いを受けているのであれば、その不当さは相手にとって利益になっているから、それを断ち切り改善しなければなりません。
第10章 憎しみはあなたの心を変えてしまう
「誰かに傷つけられるより悪いことが一つある。それは、傷つけられたあとも、その痛みを引きずることだ」
怒りや憎しみは人を支配します。それにとらわれている限り変わることはできません。怒りや憎しみを引きずらず、前向きに進んでいくことです。そうはいっても負の感情はコントロールするのが難しく、意図的に、怒りや憎しみを費くじらないように心がけるしかありません。
第11章 あなたのゴールラインはどこか?
「自分が求めるものをよく知っておかなければならないと私は言っているが、これは、いろんな条件をつけて、様々な角度から自分の求めるものを説明できなければならないということだ。
- 何が望みか?
- そのために何をしなければならないのか?
- 望みが叶ったら、どんな気分になるか?
- ということは、本当の望みとは何か?
- そのためには何をしなければならないか?
- 望みが叶ったなどんな気分になるか?
- ということは、本当の望みは何か?」
自分が本当に望んでいるものは何かを掘り下げて考えなければなりません。表面的なものではなく本質的なものを問い続けるのです。
この本では、第12章に「ガイド付き人生の旅」があり、ガイドに従って、自分を掘り下げることで、行動を起こせるようになる工夫がなされています。
また、第13章では、「目標設定の7つのステップ」が挙げられていますので参考になります。
- 具体的な出来事や行動の形で自分の目標を表現する
- 達成度を測れるような形で目標を表現する
- 目標に期限を設けよう
- コントロールできる目標を選ぶ
- 目標達成に繋がる戦略を立てる
- 段階的な目標を定める
- 目標達成までの進捗状況に責任を持つ
選択と集中
おはようございます。
新年を迎えましたが、新型コロナには年末年始も関係ありません。昨日の新規感染者は全国で535人、東京・大阪は2日続けて70人を超えました。渋谷駅前での大晦日の年越しイベントは中止になったにもかかわらず、渋谷に多くの人が集まり、ハロウィン以上の熱狂に包まれ、まるで狂騒といった状況でした。それは大阪ミナミでも同じで、あまりにも酷い気の緩みとオミクロン株への警戒心のなさにはあきれるばかりです。こうした状況が年末年始に続いていけば、確実に感染者は急増します。昨日書きましたが寅年の「強い正義感・新年と行動力」で新型コロナに打ち勝ちたいところですが、気の緩みと無防備さからすれば、今年も、コロナとの戦いは負け続きになるのではないかと懸念します。
さて、大晦日にも書きましたが、2022年は自社の強みを明確にして、その強みを活かすために「選択と集中」を行うことが大切だと思います。
以前に紹介しました、20世紀最大の経営者と賞賛されたGEのジャック・ウェルチですが、GE各部門が展開する各部門の多数の事業を「世界で1位か2位であるか、あるいはそうなる可能性があるか」という基準で選別しました。そうでない事業は「売却か閉鎖」です。そして売却した事業の売却益は残した事業に競争力強化のために投資しました。これは「ウェルチの選択と集中」です。
この「ウェルチの選択と集中」戦略が素晴らしいことはいうまでもありませんが、これを日本の中堅・中小企業にそのまま応用できるかというとそういうわけにはいかないように思います。ほとんどの中小企業は大企業と異なり複数の事業を展開しているわけではなく、単一の事業を展開しています。「選択と集中」する余地がないのです。
しかし、それにもかかわらず、日本の中小企業でも「選択と集中」は大切だと思います。
コロナ禍で今ある事業が行き詰まりを見せているということは多いですし、混迷するビジネス環境で、新たなことにチャレンジし続けなければなりません。これまでの業態を新しい業態に変化する必要もできます。例えば、これまでの店内飲食からデリバリー・テイクアウトを行うようになった店舗もありますし、これまでの店舗販売からネット販売を行うようになった企業・店舗もあります。ウィズコロナ・アフターコロナの時代に、どっちつかずの状態で両方を行い続けるのか、あるいは、どちらかを選択してそこに経営資源を集中させるべきかを考えなければならなくなります。
ここで重要になるのは3Cではないかと思います。3Cというのは、Company(自社分析)、Customers(顧客分析)、Competitors(競合分析)の頭文字をとったものです。顧客の要望(ニーズ)を知り、競合分析と自社分析で把握できた自社の強みを最大限に活かして顧客ニーズに応えるために自社が進むべき方向性を決めるということです。
以前、故田岡信夫氏が提唱した「ランチェスター経営戦略」を紹介しました。これは和製戦略ともいうべきものですが、「ウェルチの選択と集中戦略」にどことなく似ています。日本の中小企業は、このランチェスター戦略を展開すればいいのです。
中小企業も、生き残りをかけた戦いに勝つためには、ジャック・ウェルチと同じように、NO1かNO2以外はやらないという覚悟・勇気が必要なのです。
それでは、どうすればNO1になれるのか?
弱者(中小企業)が強者(大企業)に勝つには一定のルール「原理原則」があります。その基本をランチェスター戦略から学び取ろうというのが「ランチェスター経営戦略」です。
ランチェスター戦略は、第一次世界大戦をきっかけに、イギリスのフレデリック・W・ランチェスターが航空機による空中戦の損害状況を研究したことから始まり、そこでは「同じ武器なら勝敗は兵力数で決まる」と述べられました。これをもとに、アメリカのコロンビア大学のバーナード・クープマン教授により軍事戦略モデルとなりました。これは、戦略に勝る「強者」と戦略に劣る「弱者」とに分け、それぞれがどのように戦えば戦局を有利に運べるかを考えるための戦略論で、経営戦略にも応用されるようになったのです。
ランチェスターの法則には、「弱者の戦略」と呼ばれる第一法則と「強者の法則」と呼ばれる第二法則があります。
第一法則は伝統的な一騎打ちを前提としています。例えば、同じ武器を持つA軍5名とB軍3名が戦った場合、最終的には損害は同じで、A軍が2名残って勝つのです。
第二法則は近代兵器による遠隔戦より広範な戦いを想定しています。この場合、攻撃力は兵力の2乗になり、先の例でいえば、A軍の戦力は25,B軍の戦力は9,A軍が勝って4名が生き残るのです。
したがって、数に勝るA軍は第一法則のような一騎打ち・近接戦を避け、第二法則にあるような広範戦・遠隔戦をした方が損害が少なくて済みます。一方で、弱者は、第二法則のような事態に陥らないように、なるべく接近戦を行うべきだというのです。
ビジネスに関して言えば、強者(大企業)には、物量と価格戦略にて、効率的にビジネスを仕掛け、市場全体で勝利することを図るという戦略が妥当しますが、弱者(中小企業)には、市場をセグメントして、資源を一点集中させ、強者との差別化を図るという戦略が妥当することになるのです。
数で劣る中小企業は大企業に絶対勝てないというわけではありません。強者というのは「マーケットシェア1位の企業」と定義づけされます。そのための戦略は次の通りです。
- 差別化戦略・・・商品をはじめ、会社、人材、情報、サービスの質的な独自性、優位性
- 一点集中主義・・・自社の経営資源を重点配分する
- 局地戦・・・地域や領域の限定
- 接近戦・・・顧客に接近する販売経路、経営活動、顧客志向
- 一騎打ち・・・競合数の少ない競争
- 陽動戦・・・奇襲戦法
もう少しわかりやすく言うと
- 差別化する、人と違うことをする、その勇気を持つ
- 小さな領域でNO1を目指す。1位になれるまで細分化する
- 一点集中、他をやりたくなる誘惑に負けない
- 局地戦で戦う、戦場を広げない、まず半径30分が目安
- 接近戦で戦う、訪問し近くによって触れ合う
- 一騎打ちをする 一人ひとり丁寧に対応する
- 万人受けを狙わない ターゲットを絞り込む
- 価値やすきに勝つ、 競合がないところで静かに勝つ
「経営は戦略がなければやってはいけない。理念がなければやる資格がない。実践しなければ何も生まれない」のです。つまり、「理念」ある「戦略」を「実践」するということです。
中小企業が経営理念を作る場合、①大義名分、何のために仕事をするのか ②将来の夢、これからどうしたいのか ③価値観・毎日の行動指針 何を基準に判断したらいいのか、具体的にどうしたらいいのか、を示していく必要があります。
経営とはお客様に合わせ喜んでもらうことです。経営とは利他行、経営とは社員を守ること、経営とは人に尽くすこととです。社員は金もうけの道具ではありません。経営が社長の理念の実現だとすると、会社とは社長の価値観を共有した人の集まりであり、経営理念を実践する集団なのです。
どのような小さな会社でも、差別化し一点集中で一つのことに根気よく打ち込むことができれば、NO1になることができるのです。これがランチェスター戦略ですが、そこにはお客様や従業員のためという利他の精神と感謝の心がなければなりません。
利他の精神と感謝の心を持って、「強い正義感・信念と行動力」で、差別化し一点集中で一つのことに根気よく打ち込むことができれば、コロナ禍に打ち勝つ事業を展開していけるのではないかと思います。
今年は壬寅!
新年明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
今年の干支は寅(とら)であると言われますが,正しくありません。干支のうち「支」すなわち十二支が今年は「寅」なのです。干支のうちの「干」すなわち十干が今年は「壬」です。したがって、今年の干支は正確には「壬寅(みずのえ・とら)」です。十干は陰陽五行説から来ていて、宇宙を構成する要素は木・火・土・金・水の5つでそれぞれに兄弟がいるのです。十干は、順に甲乙丙丁戊己庚辛壬癸、読み方は順に、きのえ、きのと、ひのえ、ひのと、つちのえ、つちのと、かのえ、かのと、みずのえ、みずのと、となります。十二支と十干の組み合わせは60通りあり60年かけて一回りするので、60歳が「還暦」となるのです。
今日は、十二支がどのようにして決まったのかという物語の話をします。
或る年末のこと、神様が、動物たちに対し「元旦の朝、自分の所にあいさつに訪れた1番から12番までを順にその年の大将としよう」と御触れを出しました。この御触れを聞いた動物たちはさまざまな計画を立てます。御触れを聞き洩らした猫は、子(ねずみ)に聞きに行きますが、子は嘘をついて元旦の次の日を伝えます。丑(うし)は足が遅いことを自覚していたので、ほかの動物たちよりも早く出発し、神様の元に向かいます。そして、一番で神様の元とにたどり着くはずでしたが、最後の最後丑の背中に乗っていた子が飛び降りて子に一番の座を奪われます。その結果、子が一番、丑が二番となったのです。子に嘘を教えられ一日日にちを間違えた猫は十二支に入ることができず、未だにネズミに恨みを抱き追い回しているというのです。ネコ科の寅は正義感と行動力を発揮し、3番手です。
寅年の特徴は「強い正義感と行動力」で、逆境であっても立ち向う強さを持っています。今年は36年に1度の「五黄の寅」です。これは、十二支と中国の民間信仰である九星を組み合わせたもので、五黄土星の「周囲を圧倒するパワー」と寅年の「強い正義感と行動力」でとてつもないパワーを発揮します。こうした強いパワーと行動力で、コロナに打ち勝ち良い年になるように願います。
寅年には、こうした「強い正義感や行動力」から、「ものごとの始まり」「新たなものが生まれる」というイメージがあるのです。
過去には、1986年に男女機会均等法施行・ドラゴンクエスト販売・土井たか子が日本初の女性党首(日本社会党)に就任、1998年はWindows98発売・サッカーワールドカップに日本初出場、2010年は民主党政権菅直人総理誕生・小惑星探査機「はやぶさ」が帰還し小惑星「イトカワ」の微粒子の回収に成功 などがありました。
過去の寅年にも新しいことが始まり新しいものが生まれています。
強い正義感・信念と行動力をもって臨めば、新しいことをはじめ成功に導くことができる1年になりそうです。
昨年度は新型コロナに振り回された1年でしたが、今年もオミクロン株伸し中間線gは始まり先行きが見通せない年の幕開けを迎えました。しかし、つよい正義感・信念と行動力があれば、新型コロナウイルスに打ち勝ち、その中からイノベーションや新しいアイデアが生まれ、希望に満ちた日が訪れるのではないかと思います。そうなるように願っています。
2021年を振り返り、2022年を迎える
おはようございます。
2021年の大みそか、今年最後になりました。
今年1年ブログをご覧いただきありがとうございました。
今日は、2021年を振り返ってみたいと思います。
2021年は新型コロナウイルスに振り回された1年でした。前半はワクチン接種が思うように進まず、政府がとった対策は後手後手で、この1年のほとんどが緊急事態宣言下もしくはまん延防止等重点措置の実施期間で、通常営業に戻ったのがここ1,2か月、ところがオミクロン株の市中感染が見つかり、今後が見通せない状況のまま1年を締めくくることになりました。来年早々にも第6波襲来の懸念があり、まだまだコロナからの脱却は出来そうもありません。
コロナ禍で、多くの企業が新しい試みを行い、コロナ禍に打ち勝とうと努力してきました。しかし、新たなサービスの提供に成功したのは一部にしかすぎません。
外食産業はテイクアウト、デリバリーで増収・増益を図った企業がある半面、テイクアウトメニューを用意しても適切な売上や利益を出せなかった飲食店も多くあります。
多くの企業や飲食店が様々な工夫をされてきたのは分かります。厳しい言い方かもしれませんが、顧客が何を求めているのかを理解しないまま、横並び的に他の企業・飲食店と同じようなスタイルをとっても、上手くいくはずはありません。顧客が何を求めているのかを理解し、求められていないものはスパッと切り捨てる覚悟も必要です。これまでと同じことをしながら、更にそれに新たなサービスを付け加えても、費用はかさむだけです。経営学でよく言われるように、「選択と集中」が大切なのです。
2022年に向けて、次の2つを考える必要があるように思います。
1.自社の「強み」を明確に把握する
自社の「強み」を把握することは、コロナ禍でなくても当然必要なことです。しかし、コロナ禍というか、この混迷するビジネス環境の下では、自社の「強み」がさらに重要になってきています。
戦略を組み立てるのに必要なのは、「自社が対応している環境、即ち業界構造をどのように認識するか」ということと「自社の強みと弱みをどのように認識するか」ということです。外部環境と内部環境の客観的分析を通じて、自社の「強み」と「弱み」、市場の「機会」と「脅威」を見極めるSWOT分析からTOWSマトリクスを作成することで、戦略オプションを発送し、最適な戦略オプションを決定することができます。
この中で次の4つの戦略オプションが考えられます。
- SO戦略・・・市場機会をとらえて、自社の強みをいかに利用するか
- ST戦略・・・脅威を避けて、自社の強みをいかに利用するか
- WO戦略・・・自社の弱みを克服して、いかに機会を利用するか
- WT戦略・・・脅威を避けて、いかに弱みを最小化するか
最も強気の戦略がSO戦略であり、最も弱気の戦略がWT戦略です。自社の弱みを克服するというのはなかなか難しいものです。自社の「強み」を利用する方が容易です。
そのために、自社の本当の「強み」を明確にする必要があります。
以前にも書きましたが、自社が「強み」と思っているものが「強み」でないこともあります。顧客が求めているニーズは何かを的確に把握し、そのニーズに応えられる自社の「強み」は何かを真剣に考えることです。自分自身で考えていても答えは出ないかもしれません。客観的に第三者に聞くということも大切です。そうして見出された自社の「強み」をもとに、何にフォーカスするのかを「選択」する必要があります。他社がこうしているからではなく、自社の強みを軸としたサービスによってアフターコロナに適応していくべきなのです。場合によっては、今の業態に固執することなく、他の業態に思い切って切り替えていくというのも必要になるかもしれません。
2.付加価値を考える
コロナ禍で、かつてのように低価格であれば売れるという時代でなくなってきているように思います。例えば飲食を例に挙げますが、コロナ禍で外食の機会は大幅に減りました。おうち時間が増えて、巣籠もり需要で高級な食材が売れていますし、たまに外食するなら美味しいものを食べたいと高級なお店が流行っています。
これからは、客数が減る中で薄利多売を狙うのではなく、付加価値を付けて適正価格で売上・利益を上げることが求められるようになるように思います。
そうすると、ここでも顧客が求めるニーズは何かを把握して、そのニーズに合致した付加価値を提供することが大切になりますし、その付加価値を提供できる自社の強みを把握することが重要になってきます。
アフターコロナの時代には、自社の存在意義を掛けた勝負が始まるのです。2022年はそうした時代の幕開けになるように思います。
来年もよろしくお願いいたします。
人の心をつかむ力
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で501人で、東京76人、神奈川21人、千葉15人、埼玉11人、群馬16人、愛知17人、大阪61人、兵庫得22人、京都36人、沖縄27人、北海道26人と増加しています。500人を超えるのは10月16日以来で2か月半ぶりです。第5波が収まり緊急事態宣言解除に伴う気の緩みや行動制限緩和が原因なのか、オミクロン株の影響が出てきているのか、わかりませんが、オミクロン株がじわじわと広がっていることは間違いありません。年末年始、一人ひとりが感染防止策を徹底してこれ以上広がらないように気を付けるしかありません。
今日は、ダイヤモンドオンラインの「『周りに合わせると起こるデメリット』ハーバード大学教授が解説」という記事を取り上げます。
この記事は、ハーバード・ビジネススクール教授ローラ・ファン著「ハーバードの人の心をつかむ力」からの抜粋です。
実力以上の結果を出し、人より抜きんでた存在になるには、努力と能力だけでは不十分で、周囲の人の認識を味方にして、誰から見ても魅力的な人間になることが大切です。
1.周囲に合わせても長い目で見るとマイナスになる
他人の思い込みやレッテルは誰にでもつきまといます。長い目でみれば、いくらうまくいっていいるふりをしても、それは一時的な気休めにしかならず、長続きしません。自己不信に陥り、不安ばかり感じていれば、もやもやしたその気持ちをいつまでも引きずることになります。
固定観念に合わせるしかないという恐怖心は極めて強く、いくら「エリート集団」の一員になろうと努力したところで、正当な評価を得られないのではないかと不安になり、一層自己不信に陥るだけなのです。
職場におけるマイノリティは、自分を隠しマジョリティに合わせマジョリティのふりをします。そうすることで一時的には波風を立てずに済みますが、長い目で見ればマイナスの影響を及ぼすのです。
組織も同じです。例えば多様性についてもそうです。多様性を高めるために外国人や女性を採用したとしても、そもそも何のために多様性を高める必要があるのでしょうか。このことを考えることなく、世の中が「多様性、多様性」と言うからとりあえず横並びで外国人や女性を採用したというのでは、何の変化も起こりません。日本人の中年男性だけで阿吽の呼吸で行っていた仕事を、日本語が理解できない外国人に説明するのは大変ですし、多くのコミュニケーションミスが起こり、かえって生産性が低下するという恐れもはらんでいます。盲目的に社会全体の流れだからといって目的も明確にせずに多様性を高めても意味がないのです。
2.自分以外のふりをすると起こること
自分以外のふりをするということは誰しもあることです。本来の自分を隠して、より自分を強く見せるために違うタイプの人間を演じるのです。しかし、それは上手くいくことはありません。ローラは、男性らしく―いかにも男性らしいと自分が思う行動をとると―十中八九、反感を買ったというのです。やけに攻撃的な女だと思われ、結局は何の成果もあげられなかったのです。
「仕事には人脈作りや実力者とのコネづくりが欠かせない」と言われることがあります。中にはコツコツと人脈づくりやコネづくりにいそしんでいる人もいます。こうした人を真似てコーヒーを飲みに誘ったり食事に誘っても、表面的に付き合いしかできないのが真実です。相手の懐に飛び込んで、自分をさらけ出さなければ、相手は本当に心を開いてくれませんし、表面的なアドバイスしかもらえません。
3.ありのままでいることの価値
他人が望む人物像を勝手に想像して、それに自分を合わせることなどできません。そもそも、どうすればいいのか分かりませんし、相手が望んでいることもわかりません。相手にしても、自分が何を望んでいるのかわっていないのです。
考えるだけ無駄なのです。ありのままの自分を見せればいいだけです。ありのままの自分を見せるチャンスはいくらでもあります。その時にはチャンスをつかみ胸を張ってありのままの自分をさらけ出せばいいのです。
ローラは「自分が望む方向へと他人を誘導するのは、何も骨が折れる作業ではないし、つらいものでもない。無理をしてまでしなければならないことでもない。ちょっとしたきっかけでそうなることもあるし、少し世界を広げる努力をすれば自然とついてくることもある」と言っています。
あくまでも無理をせず、自然体で臨めばいいということです。
上司の指示が少ない組織
おはようございます。
昨日の新規感染者は全国で385人、そのうち東京46人、栃木23人、群馬20人、大阪51人、京都19人、兵庫12人、沖縄29人、北海道20人などとなり、オミクロン株の影響か増えてきています。大阪ではオミクロン株のクラスターが確認され、11月11日以来の50人超となっています。年末の帰省ラッシュで、空港や新幹線も昨年よりも大幅に混雑しています。少しコロナが落ち着いたこの時期に帰省や旅行をしようという気持ちもわかりますが、節度ある行動をとってもらいたいものです。
さて、今日は、日経ビジネスの「上司の指示が少ない組織ほど柔軟な判断ができる理由」という記事を取り上げます。
この記事は、「LISTEN 知性豊かで想像力がある人になれる」を監訳した篠田真貴子氏が航空幕僚長の井筒俊司氏にインタビューした内容です。
1.航空自衛隊では、上司の意図を聞き取ることが「仕組み化」されている
話すことよりも聞くことの方が難しいものです。明確に相手の意図をくみ取れなければ、どのように行動してよいかもわからず判断に迷うこともありますし、間違った判断や行動をすることにもなりかねません。
航空自衛隊には、上司の指示の意図するところを理解するという意味の「意図取り」「意図伺い」という言葉があるというのです。上司が自分の支持の意図を明確にして隅々まで伝えることが大切なのは言うまでもありませんが、それだけでは不十分なのです。「部下の方から上司の意図を聞き取る、くみ取ることをせよ」ということです。
上司の意図がはっきりしない場合は部下の方から能動的に聞くことを教育されるのです。隊員は、意図取り・意図伺いをしないと怒られるというのです。上司の意図を明確に聞き取りくみ取って行動に移さなければ間違った判断や行動を起こすことになるからです。
航空自衛隊はものすごいスピードで戦闘機を飛ばしますが、乗り込んだパイロットはさまざまな事態に直面します。しかし、その場に指揮官が一緒にいるわけではありません。さらに状況は刻々と変化します。いちいち指揮官の指示を待っている時間はありません。作戦全体に対する指揮官の意図をくみ取って理解し、その場でパイロット自身が瞬時に判断しないといけないのです。
航空自衛隊では、一般的な「命令」を3つに分けて考えています。1つは「号令」、これは「前へ進め」と言われたら進むだけで、なぜ前進するのかという意図は明らかにされません。次は「命令」、「私はこう考えるからこう行動しなさい」と意図と行動が共に示されます。もう1つが「訓令」、これは「私はこう考える」と言う意図だけが示され、「やり方は自分で考えよ」ということです。
この「訓令」では行動の指示が出ないので、意図がくみ取れたかどうかが極めて重要になります。だから、意図取り、意図伺いを必死で行う必要が出てくるのです。
上官は、不測の事態に見舞われた時に自分で的確に判断して行動できる部下を育てたい、そのために自分の考えていることや行動の基準を明確に示しておく必要があります。上官は意図が隅々まで理解されるように工夫を重ね、一方で部下は意図取り、意図伺いを行って畳間の意図を明確に理解しようとするのです。
2.きちんと聞ける組織には細かい指示は必要ない
自衛隊は、一般的に上下関係の厳しいタテ社会のイメージがありますが、上からの命令だけでなく、下からも意図取り、意図伺いをしてアプローチするという、ある意味柔軟な組織なのです。
これは、取り巻く事業環境が刻々と変化するビジネスの世界でも役に立つ話です。
例えば、営業に出たらいちいち持ち帰って上司にお伺いを立てるというようなことをやっていれば、同業他社に先を越され乗り遅れてしまいます。その場で決めるものは決めないと勝負になりません。上司や会社の意図を明確にくみ取り理解して、その場で自分で判断しなければならないのです。今の混迷する時代には、スピード感を持って、柔軟に対処することが大切になってきます。
上司は、自分の考えていることや会社の方針を明確に伝え、自分の意図が隅々まで理解されるように工夫することが必要ですし、部下は上司の意図を的確にくみ取り理解することが大切です。混迷するビジネス環境では柔軟さとスピード感が求められます。そのためには、部下にある程度の裁量を与えなければなりません。部下に裁量を与えるには、上司の意図や会社の方針を的確に把握していることが前提です。
部下が、上司の意図を的確に把握できるように、航空自衛隊の「意図取り」「意図伺い」のような方法を取り入れるのは有用です。
「意図取り」「意図伺い」で上司の意図や会社の方針を的確に把握できる組織では、細かい指示は必要なくなります。